今日もなんとか生きてる

アニメ・漫画・ゲームなど、ハマりものについてと日常について

スイッチ入った

「ぼやぼやすんな!!補給作業急げ!!」
「昭弘さん、今の内に飯食ってください!」
 ギャラルホルンと火星連合軍。その最終決戦の火蓋が切られて、すでに三十時間が過ぎていた。後方に控えるホタルビの格納庫では、帰還したモビルスーツの補給と、破損パーツの交換などが急ピッチで進められている。
 今も弾薬とスラスター燃料を切らした昭弘機、ガンダムグシオン・リベイクフルシティが、整備員らの手によって破損個所を交換、修理されている真っ最中だった。
「そんな暇はねえ!すぐに出るぞ!」
「無茶言うな!再出撃できるまで早くても一時間はかかる!おめぇは今の間に十分でも休憩取っとけ!」
 数において劣勢を強いられている連合軍にとって、二機のガンダムを筆頭とする鉄華団所属モビルスーツ隊は、圧倒的敵戦力との均衡をギリギリの所で保ち、戦線を維持するに不可欠な存在であった。
 一機でも欠けると戦況が厳しくなる。とはいえ、補給なしでモビルスーツは動かないし、その機体を操縦する人間もまた、休みなくぶっ続けで動けるほど便利には出来ていない。
「シノの奴がカバーしてる内に休め!そんで、次はお前がシノを休ませてやるんだ。良いな!?」
「………解ったッ!!」
 最初、頑としてグシオンから降りようとしなかった昭弘だが、整備長でもある雪之丞からそう諭されると、ようやく彼は納得して愛機のコクピットから離れた。そのまま作業員から手渡されたサンドイッチを、飲み物片手にほぼ一口で胃の奥へ流し込む。
「少し寝る!終わったら起こしてくれ!」
「了解!!」
 擦れ違った整備員の一人に声を掛け、格納庫内に用意された臨時の休憩室へ入ると、昭弘はほとんど気絶に近い速さで眠りについた。戦闘開始からこれまで二十時間以上、ろくろく睡眠もとらずに戦場を行き来していたのだ。無理もないことだろう。
「このままじゃヤベエぞ…解かってんのか、オルガ……!?」
 誰に言うともなく雪之丞は独りごちた。その視線の先には、遠く煌めく戦火の光。そこでは今この瞬間も、人と人の無益な命のやり取りが続いていた。 

 

 という訳で、ずーっとほっといた洗脳三日月こと、『ここではない何処か』最終回を書き始めましたのでお知らせとついでの気合入れです。

 

がんばろ!!